久留米大学医学部 放射線医学教室

CT検査

CT/MRIセンターでは現在3台のMDCT 装置(Discovery CT750HD, 64slice, GE社製; Revolution Premium, GE社製, 256slice,Revolution Apex, GE社製,256slice)が稼働しており、一日に100件以上の撮影を行っています。CTの検出器が多列化することによって、より広範囲の撮影を非常に短時間で、かつ高精細な撮影を行うことが可能になっています。

CT装置(Discovery CT750HD)はdual energy CTシステムを搭載し、単一X線管球で2つの管電圧(80,140KVp)を0.2msごとに切り替えて異なるX線管電圧で撮影することが可能で、ある物質(実質臓器、脂肪、軟部組織、造影剤など)のX線減弱係数を変化させ、画像上に新たなCT値の変化(画像上のコントラスト変化)を生み出すことを可能とする事がこの装置の特徴と言えます。具体的には造影剤をmapping(iodine map)することにより組織における造影効果の評価や結石の成分分析、脂肪、線維化に富む組織の評価、急性期の出血病変において同等のX線吸収値を示す石灰化病変との鑑別など、様々な分野で臨床応用が期待できる装置です。また、Revolution CTは被ばく低減技術として逐次近似画像再構成法(IR法)のASi-R-V(ASiR+Veo)が搭載されており、従来のFiltered back projection法(FBP法)に比べて50〜82%の被ばく低減が可能で、小児患者における撮像や広範囲の撮影に非常に有用です。

令和2年8月に導入された最新のCT装置(Revolution apex)では、人工知能(AI)の深層学習アルゴリズムを用いた画像再構成ソフトウェア(TFI: True Fidelity Image)が搭載されており、これまでのFBP法による画像再構成法では高線量でしか得られなかった画質を、より低線量でノイズをより少なく得ることが可能になりました。このことは、CT検査を受診される患者さんにとっても、検査中の被ばくをさらに低減し、かつ診断能を向上することに寄与します。

現在のCT検査はより広範囲で、かつ短時間にたくさんの画像情報が得られる利点がありますが、昨今いわれている医療放射線被ばくの増加についても、被ばく線量の測定可能な設備をもうけた上で、検査の質を高いレベルで維持しながら、患者さんの放射線被ばくをできるだけ少なくすることに努力しています。

Dual energy CT (Discovery CT750HD, GE社製)
256slice MD-CT(Revolution Premium, GE社製)
256slice MD-CT(Revolution Apex, GE社製)

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