第32回胸部放射線研究会 公式サイトはこちら
藤本 公則
2018年10月5日~8日福岡市国際会議場で開催されました第54回日本医学放射線学会秋季臨床大会(大会長:琉球大学 村山貞之先生)に併催されました第32回胸部放射線研究会の当番世話人をさせていただきましたので、ご報告させていただきます。
本研究会の第1回は1987年に岡山で開催されました日本医学放射線学会秋季臨床大会(大会長:岡山大学 青野要先生)に併催されました。当時,神戸大学医学部放射線医学教室を主催されておられました河野通雄先生(本研究会名誉会長)が,胸部放射線科医の育成のために画像と病理像を詳細に対応させ一例一例丁寧に検討を加え討論ができる研究会として立ち上げられました。私は医師の2年目で河野先生の下に国内留学ということで神戸大学にお邪魔しておりましたので,幸運なことに第1回目から症例報告をさせていただきました。第2回は久留米大学が秋季大会を主催したため,故大竹久先生を当番世話人として開催でき,私もお手伝いをさせていただきました。それ以来,海外留学するまで14回連続筆頭で症例報告をさせていただきました。10回連続の節目の時に足立秀治先生(名誉会員)のお計らいもあり,本会に貢献したということで表彰を受けたこと誇りに思っております。このような経緯から私にとって大変思い入れ深い会で,この歴史ある会の当番世話人をさせていただいたことは大変名誉なことであり,みなさまに感謝を申し上げます。
図 胸部放射線研究会前夜祭
(2019年10月4日 割烹「なか尾」にて)
会の前夜祭を西中洲の割烹「なか尾」で行い、胸部放射線研究会世話人、ご招待の病理診断(福岡先生、秋葉先生)、事務局の方々を含め31名にご参加いただきました。海の幸、馬刺し、水炊きにもつ鍋と福岡の食材をふんだんに盛り込み、地元の酒を主体に大いに盛り上がりました。
第32回研究会は、従来通り症例報告を主体として,一般演題36と要望演題(診断・経過・病態などが興味深いびまん性肺疾患6,縦隔疾患4)の計46演題で構成し、各演題の病理学的コメントを長崎大学病理学教授 福岡順也先生と久留米大学病理診断科・病理部教授 秋葉純先生にお願いしました。今回から初めて専門医機構領域講習として特別講演を設け、「特発性肺線維症の画像診断-新国際ガイドラインの紹介と解説-」を国際ガイドライン委員である上甲剛先生(公立共済組合近畿中央病院放射線科部長)にお願いしました。
第32回胸部放射線研究会プログラム(抜粋)2019年10月5日(金曜)
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開会の挨拶(8:55~9:00)
当番世話人:藤本公則(久留米大放射線医学) -
セッション1: 結節性病変1(9:00~9:55):7題
座長:靑木隆敏(産業医科大放射線科)、福岡順也(長崎大病理学) -
セッション2:結節性病変2(9:55~10:50): 7題
座長:藪内英剛(九大大学院保健学医用量子線)、秋葉純(久留米大病理診断科・病理部) -
セッション3:胸膜病変;縦隔腫瘍(10:50~11:45):7題
座長:岩本良二(福岡県済生会二日市病院放射線科)、福岡順也 - 世話人会(12:00~13:00)
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セッション4:要望演題1:縦隔腫瘍(13:10~13:45):4題
座長:角明子(久留米大放射線医学)、秋葉純 -
セッション5:要望演題2:びまん性肺疾患(13:45~14:35):6題
座長:江頭玲子(佐賀大放射線科)、福岡順也 -
特別講演(専門医機構 領域講習)(14:35~15:35)
座長:藤本公則(久留米大放射線医学)
特発性肺線維症の画像診断-新国際ガイドラインの紹介と解説-
上甲剛(公立共済組合近畿中央病院放射線科) -
セッション6:びまん性肺疾患(15:45~16:25):5題
座長:山城恒雄(琉球大放射線診断治療学)、秋葉純 -
セッション7:びまん性肺疾患+感染症(16:25~17:05):5題
座長:芦澤和人(長崎大臨床腫瘍学)、福岡順也 -
セッション8:感染症(17:05~17:45):5題
座長:岡田文人(大分市医師会立アルメイダ病院放射線科)、秋葉純 -
閉会の挨拶(17:45~17:50)
次回当番世話人 小林健(石川県立中央病院放射線診断科)
約350名の参加をいただき、時間設定には苦労しましたが、発表者の努力と各セッションの座長の手腕によって、討論は活発に行われたうえで、なんとか時間内にまとめることが出来、みなさまのお力添えに感謝した次第です。
本研究会は毎年,熱い討論,議論が交わされ,大変勉強になる会として,会員数も年々増加しております。会員特権としては毎年8月第一土曜日に行われる(2020年はオリンピックのため7月開催)池添メモリアル胸部画像セミナーへの参加登録の優遇や関連の国際胸部学会への参加援助などもありますので、ぜひ参加いただけたらと思います。
最後に、この名誉ある研究会の当番世話人を無事終えることができたのも胸部放射線研究会世話人、会員一同、事務局の方々、福岡先生、秋葉先生、久留米大学放射線医学教室の各医局員、秘書、みなさまのお力添えのお陰とあらためて深謝いたします。また、久留米大学医学部同門会からも援助をいただき、御礼申し上げます。